カルテ63 まっすぐなこころをうらぎらない ということ
「ふつうになりたい」
「何も考えずに」
「気持ちよくなりたい」
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昔...いやいやいやいや、さらにその昔、はるか昔のことでしょう(笑)
もはや、記憶もおぼろげになってしまった、昔々のできごと
図工の時間
終わってパレットを洗いに、運動場のほうの水道へ
その帰りみち
教室のほうから、パレットいっぱいに広がった焦げ茶色の絵の具を、こぼさないように、傾けないように
静かに、静かに歩いてくる女の子と出会う
ピンク色が欲しかったの。 いっぱい。
聞くと、隣の席の男子に「黒と茶色を混ぜるとビンクになる」と言われたらしい
そんなことあるかよ と思いながら
ビンク色の本当の作り方を教える
静かに、ただ静かに頷き、聞いている女の子
その女の子の顔も、いったい誰だったかも忘れるくらい、
昔々、
ほんの子供だったころの風景
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「男性とのセックスが、気持ちよくありません」
「挿入直後は気持ちいい...と思うのですが、『あれ?』って感じで、すぐそれがなくなります」
「体位を変えた直後とかは、気持ちいい...かな?って思うのですが、それが消えてゆく感じ」
そもそも、すべての快感 というものが長続きししない
男性がどう思ってるか? そんなことばかり気になって
いつも冷めた自分がいる
すぐ乾いてくる
性交痛がある
求められるままにしてきたけれど
セックスって、本当は気持ちいいものなの?
みんな、こんなもんなの?
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その悩みの解消に向けて、目指す次の段階は、
まず、男性との「気持ちいい時間」を「自然に」「できるだけ長く」過ごせるようになることころから。
挿入行為は、「気持ちがいい、色々なこと」の中の、「最接近」の現象であって
男性の挿入「そのものだけ」が気持ちいい ということは、その本来の「自然」が逆転することでしかありません。
もちろん
気持ちよくなりたい、ほんとうは一気に「中イキ」がしたい、してみたいと思う気持ちも、よくよく理解できるのですが、
そのあせりにも似た「一足飛び」の願いにつけ込む、悪意と我欲だけを持った男性が多くいることも忘れてはいけません。
あなたがもし「俺様自慢のテクニックで、どんな女でも、すぐイカせてやるぜ」みたいな男に出会ったら
逆に「そんな単純なもんじゃないよ!!女は」と、叱りつけやっていいくらいです。
まずはイクことは忘れて、触れ合いたいと思える男性との、自然な時間を長く過ごすところから、はじめてみてください。
今、
それに気がついてくれたとしたら、早くはないかも知れませんが、遅すぎた、ということは決してありません。
その自然な時間を「再び」と強く願える男性が見つかったとしたら、
世の中の多くの女性がたどり着けない場所へ、たどり着く可能性ができたことを、
静かによろこんでください。
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振り返ると
一面、焦げ茶一色になったパレットを、悲しむでもなく、
だまされたことを悔しがる様子でもなく
ただ、静かに
水道から落ちる水で洗い流している
自分の絵を、 あたたかい、 きれいなビンク色でいっぱいにしたかった。
つぎの図工の時間は
楽しく、うれしく終わりますように